深読み、Radiohead通信|歌詞和訳と曲の解釈

Radioheadの歌詞を和訳してます。トムの心境やバンドのエピソードも交えながら「こう聴くとめちゃ深くなるよ」といった独自解釈を添えてます。

【歌詞解説】Nude / Radiohead - ありのままに生きる難しさ

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「Nude」はRadioheadの7作目のアルバム『In Rainbows』に収録された楽曲です。

ライブでは『OK Computer』の時期から演奏されており、10年の月日を経て、満を持してスタジオバージョンが収録されました。トム曰く「ずっと取り組んでいたけど、コリンがこのベースラインを発明して、ようやくしっくり来たんだ」とのこと。

歌詞

Don't get any big ideas
They're not gonna happen

You paint yourself white
And fill up with noise
But there'll be something missing

Now that you've found it, it's gone
Now that you feel it, you don't
You've gone off the rails

So don't get any big ideas
They're not gonna happen
You'll go to hell for what your dirty mind is thinking

和訳

大それたことは考えるなよ
どうせそんなこと 起きはしないんだから

きみは自分を白く塗り
雑音で隙間を埋める
それでもなお きっと何かが足りないんだ

見つけた瞬間に どこかに消えて
感じた瞬間に なくなって
きみはもうレールを外れてしまったんだ

だからさ
大それたことは考えるなよ
どうせそんなこと 起きはしないんだから

きみは地獄に堕ちるよ
その醜い心が考えているアイデアのせいでね…

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解説

もともとこの「Nude」という楽曲は、未発表時は「Big Ideas」という仮タイトルで知られていました。初期段階では、サビに「What do you look like when you're nude?(きみは裸になるとどんな姿なんだい?)」という歌詞が使われていたそうです。

最終的な歌詞には「Nude」という言葉は残されていませんが、トムたちの中ではこの楽曲は常に「裸の、ありのままの」といった意味を持つものだったのでしょう。

ありのままに生きる難しさ

歌詞は、社会で生きにくさを覚えている人を表しているようです。

社会を攻撃するよう目論んだり、誰かが救いに来るのを待ち続けたり、
はたまた逆に、世間に溶け込もうと必死に取り繕ったり。
いろいろやってみるものの、心は決して満たされることはありません。

そして思考の行き着く先......曲の最後の「地獄に堕ちる考え」とは、自殺のことなのではないでしょうか。(西洋圏では自殺はご法度なのです)

そして、そんなことしても意味がないから、もう考えるのをやめろと言っているように感じます。『OK Compuer』時代、トムは同じく自殺をテーマにした「No Surprises」という楽曲を書いていました。「Nude」は、この楽曲へのアンサーソングなのかもしれません。

生きにくくても、どうせ生きるしかないんだから。
あれこれ悩むのをやめて、ありのままに生きてみようよ。

それまではエレクトーンと鉄琴を基調とした、大団円を迎える楽曲として演奏されていました。

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ちなみに『OK Compuer』時代は、レディオヘッドのメンバーたちの楽器レパートリーが増えてしまったが故に、まとまりきらない楽曲がたくさん生み出されました。「True Love Waits」も20年の時を経て、同じくすべてを削ぎ落とした形で、『A Moon Shaped Pool』に収録されましたね。